(1)再生可能エネルギーとは
温室効果ガスを排出せず国内で生産が可能なもの
(2)日本で主に利用されている再生可能エネルギー
①太陽光発電 ②風力発電 ③バイオマス ④水力発電 ⑤地熱発電 ⑥太陽熱利用 ⑦氷雪熱利用 ⑧温度差熱利用 ⑨地中熱利用
(3)太陽光発電の特徴と課題
①設置する地域に制限がない
②用地を占有しない(屋根・壁などに設置可能)
③送電設備のない遠隔地や、災害時の電源として利用可能
☆課題:気候条件に発電出力が左右される。低コストに向けた技術開発が重要
(4)風力発電の特徴と課題
①現在は陸上の設置が進んでいるが、洋上風力発電も検討・計画されている(洋上の方が大きなポテンシャルを持つと言われている)
②大規模な発電であれば、火力発電並みの発電コストにできる。
③風力エネルギーから電気エネルギーへの変換効率が良い。
④夜間でも発電可能
☆課題:日本の風力発電のコストは依然として高い(欧米諸国に比べて導入が遅れている)。電力会社との連携、地元の調整、生態系への影響の調査など開発段階でのコストが高いことが課題。
(5)バイオマスの特徴と課題
①循環型社会構築に寄与する(廃棄物を燃料とする)
②農山漁村の活性化
③地域環境の改善(家畜の排せつ物や生ごみなどの活用)
☆課題:資源が広い地域に分散しているため、収集・運搬・管理にコストがかかる。
※バイオマスについて詳しくはこちら→バイオマス・エネルギーについてまとめ
(6)水力発電の特徴と課題
①電力の安定供給が可能(自然条件によらない)
②数十年にわたる長期稼働が可能
③長い発電の歴史があるので、数多くの技術やノウハウが蓄積されている
☆課題:事業開始前の河川の長期にわたる調査が必要で開発初期のコストが大きい。地域住民の理解が不可欠。未開発地点は奥地なため開発コストが高くなる。
(7)地熱発電の特徴と課題
①発電に使った高温の蒸気や熱水は、農業や養殖・暖房などに再利用できる。
②燃料が枯渇することがなく、長期間にわたる供給が期待できる。
③昼夜を問わぬ安定した発電が可能。
☆課題:発電所の立地地区が公園や温泉などの施設が点在する地域と重なるため、地元開発者との調整が必要。
(8)太陽熱利用の特徴
①太陽の熱エネルギーを太陽集熱器に集め、給油や暖房などに活用するシステム。
②機器の構成が単純で、特別な知識や操作が必要ない。
(9)雪氷熱利用の特徴
①冬の間に降った雪や、凍らせた氷を補完し、冷房などに利用する方法。
②従来、寒冷地では除去に膨大な費用がかかっていた雪を利用するということで注目されている。
(10)温度差熱利用の特徴と課題
①地下水、河川水、下水などを利用する。夏は外気温度より水温の方が低く、冬は外気温度より水温の方が高い。この水の持つ熱を利用する。
②都市で発電可能なので、熱源と消費地が近い。
☆課題:建設工事の規模が大きいため初期費用が高くなる。地元の地方公共団体などとの連携が必要。
(11)地中熱利用の特徴と課題
①浅い地盤中に存在する熱エネルギーを利用する。夏は外気温度より地中温度が低く、冬は外気温度より地中温度が高い。この温度差を利用する。
②冷暖房などに利用可能(室外機が不要、ヒートアイランド現象が起きにくい)
☆課題:設備導入にかかる初期コストが高く、費用の回収期間が長い。