20世紀の間に世界の一人当たりの所得は5倍になったが、全員の所得が5倍になったわけではない。「景気/経済成長を測る指標」と「格差・貧困という現象」は似て非なるものだからだ。これをケーキを例に説明する。「景気/経済成長を測る指標」は社会全体の富の量であり、ケーキの大きさで表現できる。一方、「格差・貧困という現象」は富が社会の中でどのように分けられているかであり、ケーキの切り分け方で表現できる。ケーキがいくら大きくても、切り分け方がいびつでは一人一人がもらえる量に大きな違いが出るのと同じように、全体の富の量が多くても配分次第では格差・貧困問題がおきるということだ。
参考:貧富の差