漢文において「有」は、英語のthere is構文を作ります。
つまり、
副詞+有+S
の語順となります。「有」は動詞なので、第1文型の倒置となっています。
※英語は、「There is S (場所を表す副詞句)」となり、thereが副詞で第1文型の倒置となっている。
【例】
楚人有鬻楯与矛者(楚人に楯と矛とを鬻ぐ者有り)
→「楚人」は副詞句、「有」は動詞、「鬻楯与矛者」が名詞節で主語
※「楚人」の前にin や amongに相当する前置詞が省略されている→送り仮名で「に」を補うことで表現している。
☆「無」「莫」も同様の構文となる。
【例】
吾楯之堅莫能陥也(吾が楯の堅きこと、能く陥す莫きなり)
→「吾楯之堅」が副詞、「莫」は動詞、「能陥」は名詞節で主語、「也」は「!」を表す。
→「吾楯之堅」自体は名詞節(「之」が関係詞)で「~において」に相当する前置詞が省略されている。「能陥」は関係詞「者」が省略されている。