「勉強ごっこ」とは? 「勉強ごっこ」の現実的な対処法も解説します!

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「勉強ごっこ」と「本物の勉強」

僕が定義する「勉強ごっこ」とは、一見勉強をしているように見えるけど、「できるようになること」「知ること」自体を目的とはしていないため、学習効果があまり得られない行為のことです。見た目は勉強をしているように見えますが、やっていることは勉強の真似事です。あるいは、自分の学力の向上を直接の目的とせず、「先生に言われたから」「親に怒られるから」といった理由でする勉強に見せかけた行為のことです。

それに対して、「勉強ごっこ」ではない「本物の勉強」は、「できなかったことをできるようになること」「知らないことを知ること」自体を目的とした活動のことです。あるいは、「自分でできるようになること」「自分の学力の向上」を目的とした活動のことです。

古代ギリシアの哲学者アリストテレスが「すべての人間は、生まれながらに、知ることを欲する」と言ったように、本来人間には好奇心が備わっており、知ることを望む生き物です。そのため、「知らなかったことを知ること」や「できなかったことができるようになること」は楽しいはずです。このような気持ちから学ぶことが本物の勉強です。

ただ、「勉強ごっこ」が絶対に悪いと言うつもりはありません。「勉強ごっこ」を楽しいと感じる人もいるでしょうし、「勉強ごっこ」が役に立つ場面もあるでしょう(勉強の導入などで)。

しかし、「勉強ごっこ」は学習効率が非常に低いという欠点があります。そのため、効率よく学力を上げたいのであれば、「勉強ごっこ」を「本物の勉強」に切り替えた方がいいでしょう。

「勉強ごっこ」の最大の問題点は、手段の目的化です。「勉強ごっこ」の学習効率の低さは、この手段の目的化が原因であると思われます。

一応念のために補足しておきますが、「勉強の内容のレベル」については問題にしていません。どんなに基礎的な内容を学習していようが、あるいは、入試レベルの難しい内容に取り組んでいようが、重要なのは「知りたい」「できるようになりたい」という気持ちで勉強することだと考えています。

「勉強ごっこ」の例

では、どのような行為が「勉強ごっこ」なのでしょうか。4つほど具体例を挙げてみます。

①提出自体を目的とした宿題

「勉強ごっこ」の代表例は、「提出自体を目的とした宿題」です。

本来宿題は、「自分ができるようになるため」「学力を向上させるため」の学習(主に復習)を学校や塾以外の時間でも行うためのものです。

しかし、実際はほとんどの学生が「先生に怒られないため」に、提出すること自体を目的として宿題をこなしています。

ただ言われた問題を解き、丸付けをして、答えを赤ペンで写して終わり、これで何ができるようになるのでしょうか? どうして学力が向上するのでしょうか?

まさに、手段の目的化であり、「勉強ごっこ」の代表例と言えます。

②解説のない問題を解く

解説のない問題を解く行為も「勉強ごっこ」です。

質問対応でも解説のない問題を質問する人がとても多く、「勉強ごっこ」がいかに浸透してしまっているかを痛感させられます。

問題を解く→自分で解説をよく読む→分からないことは参考書などで調べる→自分なりにまとめて次に活かす(次の問題へ)

この流れ(サイクル)こそ勉強であり、これを繰り返すことで学力が向上します。

考え方を知り、解き方を理解するために問題演習をしているはずなのに、それを最初から放棄しているこの行為は一体何を目的としているのでしょうか?

③出席を目的とした授業

「授業を受けさえすれば学力が上がったり、成績が伸びたりする」と考えるのは大きな間違いです。

ただ受動的に授業を聞くだけでは意味はなく、授業の内容を自分のものにすることができて初めて、授業が意味を持ちます。

しかし、多くの人が「親や先生に言われたから」授業を受けさているのではないでしょうか。

学校や塾で決められた時間ただ座って授業を聞いているだけでは、膨大な時間を徒労に費やしていると言えます。

④受けることを目的としたテスト・模試

テスト(小テストを含む)や模試を受けるだけで学力が上がるなんてことはありえません。

しかし、ほとんどの学生はテストや模試を受けるだけで終わってしまい、それを活用している人は少ないと思います。これも手段の目的化です。

テストや模試は、その時点の学力、あるいは、その時点で「できること」と「できないこと」を明らかにするために受けます。

そうであるならば、テストや模試をどう活用すれば「本物の勉強」に近づくのかが、おのずと見えてくると思います。

現状の教育における「勉強ごっこ」

具体例からも分かる通り、現状の教育における「勉強」の大部分は「勉強ごっこ」となってしまっています。

これは、(日本の)教育システムが原因であり、個人の問題ではないと思います。

ちなみに、僕は「みんな勉強ごっこはやめて、本物の勉強をすべきだ」と考えているわけではなく、あるいは、「(日本の)教育システムを変革して、勉強ごっこから脱却させよう」と考えているわけでもありません。

ごっこ遊びはそれはそれで楽しいですし、「勉強ごっこ」をしたい人はそのまま「勉強ごっこ」を続けていても構わないと思っています。

ただ、「勉強ごっこ」よりも「本物の勉強」の方が効率よく学力を上げることができるので、「勉強(ごっこ)をしているのに成績が上がりません」と言う人に対して、「じゃあ勉強ごっこをやめて、本物の勉強をしたらいいのでは?」と答えたいだけなのです。

「勉強ごっこ」に対する現実的な対処法

理想的には、全ての「勉強ごっこ」はやめてしまい、「本物の勉強」に専念するのがベストです。

しかし、現実には難しい場合が多いと思います。学校においては先生が「勉強ごっこ」を強要する場合が多いですし、(日本の)教育システムの構造上の問題なので、個人の力で脱却するのはなかなか困難だと思います。

そこで、「勉強ごっこ」を上手くあしらいつつ、一方で「本物の勉強」に全力で取り組むというのが、現状ではベターなやり方だと思います。

  • 宿題や授業などで「本物の勉強」に活用できるものは最大限活用し、そうでないものはトラブルにならない程度に適度にやっておく。
  • 可能な限り取捨選択をし、「勉強ごっこ」につき合わされる時間を最大限減らし、「本物の勉強」になるべく多くの時間を費やす。

実際のところは、このように対処するのが良いのではないでしょうか。


本物の勉強につながる質問の仕方

よくある質問一覧

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テストや模試はどのように復習すればいいですか?

受験勉強のモチベーション(やる気)が保てません。どうすればいいですか?