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関係代名詞thatを使うことが好まれる場合(関係代名詞thatの特別用法)と関係代名詞thatが使えない場合を解説します!【英文法のすべて】

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関係代名詞thatの使い方

今回は、関係代名詞のthatについて解説します。

関係代名詞のthatは主格のwhoやwhich、あるいは目的格のwhomやwhichの代わりとして使える関係代名詞です。

whoは先行詞が人のときに使い、whichは先行詞が物のときに使いますが、thatは先行詞が人でも物でも使うことができる便利な関係代名詞です。実際にくだけた場面では、関係代名詞はwhoやwhichよりもthatのほうがよく使われるようです。

ただ、関係代名詞のthatはwhoとwhichと全く同じ使われ方をする、というわけではありません。関係代名詞のthatを使うことが好まれる場合や、逆に、関係代名詞のthatが使えない場合があります。特に関係代名詞thatが好まれる場合は、関係代名詞thatの特別用法と言ったりもします。

今回は、これらがどのような場合なのかについて解説します。

関係代名詞thatが好まれる場合

それではまず、関係代名詞thatが好まれる場合を解説します。

先行詞に強い修飾語がついているとき

1つ目は先行詞に強い修飾語がついているときです。強い修飾語とは、最上級やthe firstやthe onlyやthe veryなどの形容詞のことです。ちなみに、このveryは「とても」という意味の副詞ではなく、「まさに」と訳す形容詞の、いわゆる「強調のvery」のことです。

例えば、

This is the hottest summer that we have had in twenty years.

この例文では、先行詞のsummerをthe hottestつまり最上級が修飾しています。そのため、その後ろの関係代名詞はwhichよりもthatが好まれます。

この例文を訳してみると、「今年の夏は、ここ20年以内で最も暑い夏です。」いったような意味になります。

先行詞がーthingのとき

続いて、関係代名詞のthatが好まれる2つ目の場合ですが、それは先行詞がーthingのときです。ーthingとは、something, anything, everything, nothingのことです。

例えば、

Is there anything that I can do?

この例文では、先行詞がanythingになっているので、その後ろの関係代名詞はwhichではなくthatになります。

この例文を訳してみると、「何か私ができることはありますか。」といったような意味になります。

先行詞がall, little, muchの場合

続いて、関係代名詞のthatが好まれる3つ目の場合は、先行詞がall, little, muchの場合です。これらが先行詞に修飾しているとき、というわけではなく、これら自身が先行詞になっているときということです。

例えば、

There was little that interested me.

この例文では、little自体が先行詞になっています。このような場合に使う関係代名詞は、whichではなくthatになります。

この例文を訳してみると、「私の興味を引くものはほとんどなかった。」といったような意味になります。ちなみに、littleは「少しある」ではなく「ほとんどない」という意味なので注意しましょう。

また、以上の3つは「関係代名詞thatを使うことが好まれる場合」なので、「絶対にthatを使わないといけない」というわけではありません。そのため、これらの場合でもwhichを使うこともあるので注意しましょう。

先行詞が「人+物」のとき

関係代名詞が好まれる場合は、あと3パターンあります。

4つ目の場合は、先行詞が「人+物」のときです。先行詞が人と物の両方のときは、whoやwhichが使いづらいので、関係代名詞はthatを使います。

例えば、

Look at the girl and her dog that are running over there.

この例文では、先行詞がthe girlという人と、her dogという動物になっている(英語では動物は文法上、物扱いになる)ので、先行詞が「人+物」になるため、関係代名詞はthatを使います。

この例文を訳してみると、「あそこで走っている女の子と彼女の犬を見てください。」といったような意味になります。

先行詞がwhoやwhichのとき

続いて、関係代名詞のthatが好まれる5つ目の場合は、先行詞がwhoやwhichのときです。このwhoやwhichは疑問詞のwhoやwhichということです。

疑問詞のwhoやwhichに関係代名詞のwhoやwhichをつけると、who whoやwhich whichのように同じ単語が連続して使われることになるので、それを避けるためにthatが使われます。

例えば、

Who that has common sense can do such a thing?

この例文では、先行詞がwhoなので、関係代名詞はthatが使われます。ここで、whoが人を表すので、関係代名詞もwhoを使うと、who whoとなり、やはりこれはおかしいということで、基本的にはwhoではなくthatを使います。

この例文を訳してみると、「常識のある誰がそのようなことができるだろうか。」あるいは「常識のある人は決してそのようなことはできないだろう。」といったような意味になります。

関係詞節で補語が省略されているとき

そして、関係代名詞のthatが好まれる最後のパターンは、関係詞節で補語が省略されているときです。この場合は、実際に例文を見た方が分かりやすいと思うので、例文で確認します。

He is not the brilliant athlete that he used to be.

この例文では、先行詞はthe brilliant athleteですが、その後ろで関係代名詞を使っているということは、関係詞のルールから言うと、関係詞節で名詞が省略されているということになります。

そして、今回はbeの後ろに先行詞が省略されています。それはつまり、SVCのC(補語)が省略されているということなので、関係代名詞はthatが使われています。このように関係詞節を見て、C(補語)の部分が省略されている場合は、関係代名詞はthatを使うことが好まれます。

brilliantは「光り輝く」あるいは「すばらしい」という意味で、athleteは「運動選手」という意味で、used toは「かつて~したものだ」という意味なので、この例文は、「彼はかつてのような素晴らしい運動選手ではない。」といったような意味になります。

ちなみに、6番目のパターンの関係代名詞のthatは省略されることが多いです。

以上が関係代名詞のthatが好まれる場合、あるいは、関係代名詞のthatの特別用法と呼ばれるパターンです。

関係代名詞のthatが使えない場合

それでは次に、関係代名詞のthatが使えない場合を解説します。関係代名詞のthatが使えない場合は2つあります。

①非制限用法のとき

まず1つ目は、「, that」つまり非制限用法のときです。関係代名詞のthatには非制限用法はないので、,(コンマ)の後ろに関係代名詞のthatが来ることはありません。

例えば、

They admire him, which(×that) I find natural.

この例文は、「彼らは彼を賞賛している。そして、それは当然のことだと思う。」といったような意味になるのですが、関係代名詞の前にコンマがあり、非制限用法となっているので、この関係代名詞whichをthatとすることはできません。

ちなみに、非制限用法とは何か、あるいは、非制限用法の訳し方については別の動画で解説しているので、ぜひそちらもご覧になってください。

②「前置詞+that」のとき

続いて、関係代名詞thatが使えない2つ目の場合は、「前置詞+that」のときです。

例えば、

× The woman to that he was talking was his secretary.

この例文のように、toなどの前置詞の後ろに関係代名詞のthatを使うことはできません。このthatをwhomにすれば正しい文となります。

〇 The woman to whom he was talking was his secretary.

ちなみに、この関係詞節to that he was talkingを元の文にしてみると、

he was talking to the woman

このようになります。このto the womanの部分を関係代名詞に変えて、toごと前に出しているというわけなのですが、そういったときに関係代名詞のthatを使うことはできないということです。

ただし、関係代名詞のthatが使えないのは前置詞の後ろなので、下の例文のように、前置詞を前に持ってこないで後ろに残した場合は、関係代名詞のthatを使うことができます。

〇 The woman that(whom) he was talking to was his secretary.

つまり、元の文のthe womanの部分を関係代名詞に変えて、関係代名詞だけを前に持ってくれば、thatでも(もちろんwhomでも)OKということになります。

この例文を訳してみると、「彼が話していた女性は、彼の秘書でした。」といったような意味になります。

いかがだったでしょうか。今回解説したことは、特に英作文などをするときに注意してください。

(3)解説授業の内容を復習しよう

関係代名詞thatの特別用法

(4)関係詞(英文法)の解説一覧

関係詞を使うときに守らないといけないルール(関係代名詞、関係副詞、前置詞+関係代名詞、関係詞とは何か、先行詞についても解説しています)

どの関係詞を使うのかを確実にマスターしよう!(関係代名詞、関係副詞、前置詞+関係代名詞、That is why、This is howについても解説しています)

関係代名詞thatを使うことが好まれる場合(関係代名詞thatの特別用法)と関係代名詞thatが使えない場合を解説します!

関係詞の非制限用法の訳し方のポイント(制限用法と非制限用法の違い、関係詞節が挿入されているとき、先行詞が文のときの関係詞whichについても解説しています)

☆その他の英文法の解説はこちら→英文法の解説動画・授業動画一覧

(5)参考

関係詞(英文法)の解説・授業・確認テスト一覧

英文法の解説動画・授業動画一覧

英文法確認テスト一覧

覚えるべきイディオム一覧(助動詞、受動態、不定詞、分詞、動名詞、関係詞、比較、否定、群前置詞、動詞、名詞、形容詞、副詞)

☆ここに受験英文法が全てまとめてあります→英文法のすべて(解説・授業・確認テスト一覧)

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