【質問パターン】
- 過去問(赤本)はどのように学習すればいいですか?
- 過去問(赤本)はいつから学習したらいいですか?
- 過去問(赤本)は早い段階で解かずに、入試直前までとっておくべきですか?
- 過去問(赤本)は何年分解けばいいですか?
動画でも解説しています!
☆YouTubeのチャンネル登録よろしくお願いします→超塾チャンネル
【回答】
(1)いつから二次試験の過去問(赤本)に取り組むべきか
①基本的な考え方
いつから二次試験の過去問(赤本)に取り組むべきかについては、↓の「学習計画の立て方」でも解説していますが、本格的に取り組み始めるのは高3の夏休みぐらいからが理想的です。
過去問の研究は、基礎を一通り網羅してから取り組んだ方がいいので、高3の夏までに基礎事項の網羅(使用する問題集の周回)がある程度終わるような学習計画を立てるようにしましょう。
もちろん早い段階で基礎を網羅できたのであれば、その時点から始めても構いません。
※東大・京大志望の方は、GWぐらいから過去問の研究を始めるのが望ましいです。なぜなら、東大や京大の大学別の模試は秋だけでなく夏にも実施されるからです(その他の大学別模試は秋だけの1回がほとんど)。夏の大学別模試に照準を合わせるのであれば、GWぐらいから過去問の研究を始めないと間に合いません。ただし、この場合はGWまでに基礎の網羅をある程度終わらせておかなければいけないので、そのことを意識した学習計画を早めに立てていないといけません。
②入試直前まで取っておくべき?
たまに、「過去問は入試直前まで取っておくべき」と言う人がいますが、僕はその必要はないと思います。
過去問の研究こそ最大の入試対策なので、過去問に取り組めるレベルに達したら、出し惜しみせずにどんどん過去問を解いていきましょう。
③とりあえず1~2年分解いてみる
志望校が決まっている場合は、過去問の出題形式や難易度などを知っておくために、早いうちにとりあえず1~2年分の過去問を解いてみてもよいでしょう。
実際の過去問から傾向や難易度を分析すれば、やるべきことがよりはっきりと見えてきて、長期的な計画を立てやすくなります。加えて、モチベーションを高めるという意味でも効果的です。
このことに取り組むのは早ければ早いほどいいです。志望校が決まっているのであれば、高3の早い時期、あるいは、高2の時点でも、自分が「よし、やってみよう!」と思ったときに取り組んでみましょう。
注意点としては、基礎が固まっていない状態では、おそらく過去問には手も足も出ないので、あまりできなくても気を落とさないこと、そして 、分からないものはどんどん飛ばしても構わないということです。
これからできるようになればいいので、この時点でできないものが多くても問題はありません。
(2)何年分解くべきか?
志望校の過去問は10年分を3周以上するのが理想的です。
これぐらい研究できれば、入試で戦える力が身に付くでしょう。
また、大学別の模試が実施されている場合は、それも研究すればより盤石です。
(3)勉強法
過去問の勉強法は以下の通りです。
①目的を意識する
まずは「何のために過去問を学習するのか」を意識しましょう。
過去問を学習する目的は、以下の4つです。
- 出題形式や傾向を知る
- 難易度を知る
- 求められている能力を知る
- 時間配分や問題を解く順番を決める
それぞれ補足していきます。
1.出題形式や傾向を知らないとそもそも対策のしようがありません。
2.過去問を解く前は、多くの人が「きっと二次試験の問題はめちゃくちゃ難しいのだろう」といった漠然としたイメージから恐怖や不安を抱いています。しかし、過去問を解くことで、意外と解ける問題があることを知ったり、あるいは、思ったよりも解けないということを知ったりもします。このように、漠然としたイメージではなく、具体的な難易度を知ることで対策を立てることができるようになります。
3.大学が求めている能力を知ることも重要です。二次試験の問題は学校の定期試験とは違い、ただ知識を問う問題や、教科書や問題集に書いてある問題がそのまま出題されないことも多いです。各大学が求めている能力を測るために、工夫してニ次試験の問題が作られています。そのため過去問を研究することで、各大学が求めている能力を知ることができ、もしその能力が足りないのであれば、その能力を得るための努力をしなければならないということが分かるのです。
4.時間配分や問題を解く順番を決めるということもかなり重要なのですが、あまり意識しない人も多いようです。実際に解いてみればわかるのですが、これらを決めずに解くとまず時間は足りなくなります。そのため時間内に解き終わるように必ず時間配分と解く順番を決めましょう。必ずしも問1から順番に解く必要はありません。「早く解けるものを先に解き、時間がかかるものは後回しにする」というのが試験の鉄則です。「早く解けるものを何分以内で解き、時間がかかるもののために何分残しておこう」といった戦略を本番までに決めておかないといけません。そのための準備と試行に過去問や模試を使いましょう。おそらく最初は自分が設定した時間配分ではうまくいかないと思います。しかし、時間配分を決めて過去問や模試を解いてみることを繰り返すことで、自分にとってのベストな時間配分と解く順番が見つかると思います。それを見つけるまで繰り返し練習してください。
以上4つの目的を意識して、過去問に取り組むようにしましょう。
②学習の流れ
以下の流れで学習しましょう。
- まず、時間を計りながら解いてみます。
- 時間が来たらすぐに解答・解説を見るのではなく、時間を気にせず、解けなかった問題に取り組んだり、答案の修正をしたりしましょう。
- 次に、自分が使用している参考書・問題集・単語帳などで調べながら答案の修正をしてみましょう。
- そして、最大限今の自分にできることをすべてやったら、模範解答と解説をよく読みましょう。
ポイントは、1,2,3の三段階で過去問に取り組み、答案作成に可能な限りの時間と労力を使うということです。こうすることで、過去問を最大限活用することができます。
3について補足すると、過去問などを学習する場合に単語を調べるときは、辞書ではなく単語帳で調べるようにしたほうが効率がいいです。単語帳で覚えきれていない単語の確認ができるのはもちろんのこと、「単語帳に載ってない単語や知らない単語が入試本番で出てきたときにどう対応するか」といった能力を養うこともできます。
この流れで解くメリットは、それぞれの段階で自分に何が足りないのかを明確にできることです。
つまり、1の段階でできずに2の段階でできたということは、時間配分や解くスピードに問題があったということになります。
また、2の段階でできずに3の段階でできたということは、知識不足や演習不足ということになります。
そして、3の段階でもできなかったということは、考え方が間違っていた、あるいは、思考力不足ということになります。
もちろんこのようにきっちり取り組むと、非常に時間がかかってしまいます。しかし、貴重な過去問を使って勉強するので、最大の効果が得られるようにむしろなるべくじっくり時間を使って取り組むようにしましょう。
☆「勉強ごっこ」とは? 「勉強ごっこ」の現実的な対処法も解説します!
☆「本物の勉強」とは何か? 「本物の勉強」に近づけるためにやるべきこと
☆授業(学校・塾・動画)の効果的な活用方法を解説します!【ただ受けるだけの授業にならないために】