(1)受験英語と英会話は別物
まず、最初に知っておいてほしいのは、受験英語と英会話は、目的や必要とされる能力が異なるということです。
そのため、「受験で英語を勉強しているのに、英語がしゃべれないじゃないか」という批判は全くの的外れです。そもそも、英会話能力を試すために大学受験で英語が課されているわけではないからです(ただし最近は、英会話能力を試験に課そうとする動きもあります)。
基本的に、大学受験で英語を課しているのは、英語で書かれた論文を正確に読む能力が身についているかを試すためです。大学で参考にする多くの論文や文献は英語で書かれており、それを原文のまま正確に読解することが、大学教育や研究には必要なのです。
よって、批判をしたいのなら「大学で英語の論文を読むことより(同じぐらい)、英会話は大事なので、英会話の能力を問う試験に(も)するべきだ」と言うべきでしょう。
(2)英語を学習するときに持っておきたい視点
さて、ここで僕が生徒に英語を勉強する際に、持っておいてほしい視点を3つ挙げます。
- 論理的に考えること
- 言語的比較の視点を持つこと
- 好奇心を持って長文を読むこと
①論理的に考えること
まず、①は数学を勉強する意義でもあり、すべての受験科目に必要な考え方です。(参考:数学を勉強する意義)
「英語は語学だから、センスで解く」という考えの人は、国立大学の問題には対応できない場合が多いでしょう。
確かに、語学にセンスが必要な場面は多いのですが、受験英語は、試験である以上、1つの答えがなければいけません。ということは、論理的に考えることができさえすれば、1つの答えにたどり着けるようになっているはずです。そして、大学入試とは、その思考力を試しているのです。
②言語的比較の視点を持つこと
また、②は、簡単に言うと「英語って日本語とここが違うんだ!」という気持ちを大事にしてほしいということです。
人は思考を言語で行っています。
つまり、言語が違えば、考え方が違うのです。一つのモノや事象に対して、言語の数だけ捉え方があるということです。
その違いを認識できるということは、それだけ物事を多角的に捉えることができ、世界観が広がるということです。英語が苦手と言っている人は、たいてい世界観や視野が狭い人が多いです。
③好奇心を持って長文を読むこと
そして③は、文系科目を勉強するときに持っておいてほしい視点です。
英語の長文読解の勉強をするとき、様々な分野の長文を読みます。その内容にも興味を持ってほしいのです。
「理系だから、社会や教育の文章は読みたくない」あるいは「文系だから、科学や医療の文章は読みたくない」と言っているようでは、国立大学の英語は突破できません。
様々な分野の話題に興味を持って、幅広い知識を持っていないと、長文を文法的には解釈できたとしても、内容がつかめないということが多々あります。
以上が英語を学習する際に持っておいてほしい視点です。少しでも受験英語に対する考え方や視野が広がってくれると幸いです。
~参考~
☆【大学受験で成功するための100か条】大学受験で成功するためにやらなければいけないことを100個にまとめました!
☆解説動画・授業動画一覧(英語・数学・国語・理科・社会・小論文・勉強法)
なぜ勉強しなければいけないのか
②「創発」が「なぜ勉強する必要があるのか?」の答えになります!(「創発とは何か?」についても解説しています)
③塾長が考える人が学ばないといけない理由、「人間」とは何か? 「人間」であるために必要なことは?
④なぜ受験勉強をしなければいけないのか? 受験勉強の社会的な意義と個人的な思想を解説します!
⑤勉強をする理由は「幸せになるため」ではない。「あなたの幸せを思って言っている」「将来幸せになるために勉強しなさい」といった言葉は、子供の心に響きません。
⑥勉強をする理由は「いい会社に就職するため」ではない。「夢=職業選択」ではない!
大学受験で成功するためにやるべきこと一覧
(3)学習計画の王道