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芳香族化合物の分離

(1)例題

ニトロベンゼン、フェノール、安息香酸、アニリンを含むジエチルエーテル溶液がある。これら4種類の芳香族化合物をそれぞれ分離するため、下図の手順で実験を行い、水層A~Cとエーテル層Dを得た。しかし、下図の手順は不適切であったため、A~Dのうち、ある層には2種類の芳香族化合物が含まれてしまった。その層と2種類の芳香族化合物を答えよ。また、A~Dに1種類ずつ分離するためには、どのようにすればよいか答えよ。

(2015年センター試験本試化学第4問問5改)

(2)例題の答案

手順1では、塩基であるアニリンが、アニリン塩酸塩として水層Aに分離される。

手順2では、酸であるフェノールと安息香酸がそれぞれ塩として水層Bに分離される。

手順3では、炭酸水素ナトリウムとニトロベンゼンは反応しないので、ニトロベンゼンはエーテル層Dに残る。よって、水層Cには何も含まれない。

したがって、水層Bにフェノールと安息香酸が含まれる。

また、手順2と手順3を逆にすれば、水層Bに安息香酸が、水層Cにフェノールが分離され、正しい手順となる。

(3)解法のポイント

芳香族化合物の分離で重要なポイントは、

①中和反応

②弱酸遊離反応または弱塩基遊離反応

です。これらの反応が起きたとき、芳香族化合物は塩となり水層へ分離されます。

また、酸の強さは

スルホン酸(強酸)>カルボン酸>炭酸(二酸化炭素)>フェノール

の順番であることは、必ず覚えましょう(「スカタン王」という語呂合わせが有名です)

~参考~

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