(1)例題
図のように、鉛直上向きにy軸をとり、y≦0の領域に、磁束密度の大きさBの一様な磁場を紙面に垂直に裏から表の向きにかけた。この磁場領域の鉛直上方から、細い金属線でできた1巻の長方形コイルabcdを、辺abを水平にして落下させる。コイルの質量はm、抵抗値はR、辺の長さはwとℓである。
コイルをある高さから落とすと、辺abがy=0に到達してから辺cdがy=0に到達するまでの間、一定の速さで落下した。ただし、コイルは回転も偏見もせず、コイルの面は常に紙面に平行とし、空気の抵抗および自己誘導の影響は無視できるものとする。
①コイルに流れる電流Iと時刻tの関係を表すグラフをかけ。ただし、辺abがy=0に到達する時刻をt=0、辺cdがy=0に到達する時刻をt=Tとし、abcdaの向きを電流の正の向きとする。
②時刻t=0とt=Tの間で、コイルが落下する一定の速さvを表せ。
(2018年センター試験本試物理第2問B)
(2)例題の答案
①
②
(3)解法のポイント
基本的な考え方は、磁場中を動く導体棒と同じです。参考:磁場中を動く導体棒
しかし、磁場中を動くコイルの場合は、磁場の中に入っている辺と入っていない辺があったりするので、4辺をそれぞれ考える必要があります。
また、磁場中を動く速さが一定になるということは、力がつり合っているということを表している、ということに注意しましょう。
(4)必要な知識
①磁場中を動く導体棒
②電流が磁場から受ける力
(5)理解すべきコア
導体棒に生じる誘導電流の向きについての2つの考え方を理解しましょう→導体棒に生じる誘導電流の向きの2つの考え方(①レンツの法則、②ローレンツ力)