(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
相対速度の公式
まずは公式を確認すると
VAB=VB-VA
これが相対速度の公式となっています。VABの読み方は、「Aから見たBの相対速度」あるいは「Aに対するBの相対速度」と読みます。
まず、よくこんがらがってしまうのが、VAとVBのどちらからどちらを引けばよいのか、ということです。これは、VABの読み方を言葉通り理解することができれば、迷うことがなくなります。
「Aから見たBの相対速度」ということは、Aは観測者であり、Bは観測の対象であるということを意味しています。つまり、「Aから見たBの相対速度」というのは、あくまでBの速度のことなのです。なので、Bをメインにして、そこからAの情報を引いていくと考えれば、どちらからどちらを引けばよいかで迷うことはなくなります。
直線上の相対速度を求めてみる
例を使って確認してみます。
例えば、Aが右向きに2m/sで進んでいて、Bが右向きに3m/sで進んでいる場合、Aから見たBの相対速度を求めてます。
まずBの速度を書いて、その後Aの速度を引いて
3m/s-2m/s=1m/s
となります。
また、Aが左向きに2m/sで進んでいて、Bが右向きに3m/sで進んでいるとしたら、Aから見たBの相対速度は、まずBを書いて、その後Aの速度で引き算をして
3m/s-(-2m/s)=5m/s
となります。
速度を考えるときは、常に向きを確認して負の向きの場合はマイナスにするのを忘れないようにしましょう。
ちなみに例えば、この場合のBから見たAの相対速度は、まずAの速度を書いて、そこからBの速度を引いて
-2m/s-3m/s=-5m/s
となります。
このように相対速度を考えるときは、どちらが観測者でどちらが観測の対象なのかを考えて、まずどちらから書くべきなのかを確認しながら計算するようにすると間違えることがなくなります。
平面上の相対速度をベクトルで考える
実は相対速度の式はベクトルでも考えることができます。つまり先ほどのように直線上の運動だけではなく、平面や空間の運動でも相対速度を求めることができ、そのときはベクトルの引き算を使って、相対速度を求めます。
例えば17.3m/sで水平方向に移動する電車があり、鉛直方向に雨が10m/sで降っているとしましょう。このとき、電車内にいる人から雨がどのように見えるかを考えてみましょう。
まずはどちらが観測者でどちらが観測される対象なのかを考えて、VAベクトルとVBベクトルを設定します。今回は電車の中にいる人が観測者なので、電車の速度をVAベクトルとします。そして雨が観測される対象なので、雨の速度をVBベクトルとします。
次にVAベクトルとVBベクトルを、始点をそろえてかいてみます。求めるものは(VBベクトル-VAベクトル)なので、-VAベクトルをかきます。そして、VBベクトルと-VAベクトルの足し算をすれば、Aから見たBの相対速度、つまり電車の中の人から見た雨の相対速度を求めることができます。
ちなみに、VBベクトルの大きさは10m/sで、VAベクトルの大きさは17.3m/sなので、1:√3:2の比の直角三角形ができるため、電車の中から見た雨の角度は鉛直方向に対して60°となります。また雨の相対速度の大きさは20m/sとなります。
(3)解説授業の内容を復習しよう
①相対速度
(4)平面内の運動の解説一覧
②相対速度の計算で間違えないために(電車の中から見た雨の角度と速度についても解説しています)
③等加速度直線運動の式の成り立ちと関係(v-tグラフの読み取り方、加速度・速度・変位の微分と積分の関係についても解説しています)
④放物運動の考え方(水平投射、斜方投射、斜面での斜方投射、飛行機から物体を落とす、台車から物体を打ち上げる)
(5)参考
☆物理の解説動画・授業動画一覧(力学・熱力学・波動・電磁気・原子)
☆物理に関する現象や技術(力学、熱力学、波動、電磁気、原子)