(1)例題
物質AとBは次式のように反応して物質Cを生成する。
A + B → C
この反応の反応速度vは、反応速度定数をkとすると、v=k[A][B]で表される。
濃度がともに、0.040mol/LのAとBの水溶液を導体席ずつ混合して、温度一定のもとで反応時間とCの濃度の関係を調べたところ下図のようになり、最終的にCの濃度は0.020mol/Lになった。
同様の実験をAの水溶液の濃度のみを2倍に変えて行ったとき、反応開始直後の反応速度はどのようになるか。{増加する・減少する・変化しない}から選べ。
また、最終的なCの濃度〔mol/L〕を求めよ。
(2018年センター試験本試化学第2問問2)
(2)例題の答案
反応速度の式から、反応速度はAおよびBの濃度に比例する。よって、Aの濃度のみを2倍としたら、反応開始直後の反応速度は2倍に増加する。
AとBの水溶液を同体積ずつ混合した場合、体積が2倍となるので、それぞれの濃度は0.020mol/Lとなる。
Cが生成する化学反応式を考えると、Cが0.020mol/Lになったということは、AとBがすべて反応したということになる。
よって、Aの濃度を2倍にしても、Bの濃度は0.020mol/Lのままなので、Cの生成量は変わらず0.020mol/Lのままである。
(3)解法のポイント
反応速度はモル濃度に比例する、ということは知っておきましょう。
また、水溶液を混合するときは、混合後の体積から、濃度を出し直す必要がある、ということも重要です。
(4)参考
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