(1)解説授業動画
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(2)解説授業の原稿
誘導電流の向きの考え方2つ
磁場中で導体棒を動かしたとき、電磁誘導が発生し、誘導電流が発生するわけですが、その誘導電流の向きを考える考え方は2通りあります。
1つ目はレンツの法則を使った考え方です。
2つ目はローレンツ力を使った考え方です。
今回はこの2つの考え方それぞれで誘導電流の向きを考えてみようと思います。
①レンツの法則を使った考え方
まずは1つ目のレンツの法則の考え方で考えてみます。
導体棒の問題のポイントとして、まず回路を1巻きのコイルと考えることが大切です。
そして、導体棒を抵抗の反対側に動かしたとき、このコイルの面積が大きくなることになります。すると、このコイルを貫く磁束の本数が増えることになります。
コイルは変化を嫌う性質があるので、コイルを貫く磁束が増加するという変化に対して、コイルは反対に磁束を減らそうとします。つまり、コイルはコイルを貫く磁束の向きとは反対向きに磁束を発生させようとします。
そして、その向きの磁束を発生させるための電流の向きを、右ねじの法則で考えると、誘導電流の向きが分かります。
このように磁束の変化に対して、その変化に逆らおうとコイルが誘導電流を発生させることをレンツの法則と呼びます。
②ローレンツ力の考え方
次に、ローレンツ力の考え方で考えてみます。
磁場中で導体棒を抵抗の反対側に動かしたとき、導体棒の中にいる電子も抵抗の反対側に動いたということになります。電流は電子の動く向きと逆の向きに流れるので、抵抗の方向に電流が流れたと見なせます。
そして、この電流の向きと磁場の向きで、フレミングの左手の法則を考えると、電子が受ける力の向きが分かります。このとき電子が受ける力のことをローレンツ力といいます。
つまり電子はローレンツ力を受けて、その力の向きに移動します。電子が導体棒の中を移動したということは、その逆向きに誘導電流が流れるということになります。
このようにローレンツ力の考え方を使って誘導電流の向きを考えることもできます。
導体棒を電源とみなす
また、このローレンツ力の考え方で少し補足したいことがあります。
例えば、電子が上側に移動すると、上側が低電位となります。そして、下側が高電位となります。このとき導体棒に電磁誘導によって誘導起電力が生しているので、導体棒を電源とみなすことができます。
そして電源の上側が低電位で下側が高電位となると、電流の向きは下向きになります。
注意したいのは、電源は低電位から高電位に電流を流そうとする働きがあるということです。電源とみなすときは高電位から低電位の方向に電流を流さないように気をつけましょう。
(3)解説授業の内容を復習しよう
(4)電磁誘導(電磁気)の解説一覧
②導体棒に生じる誘導電流の向きの2つの考え方(①レンツの法則、②ローレンツ力)
(5)参考
☆物理の解説動画・授業動画一覧(力学・熱力学・波動・電磁気・原子)
☆物理に関する現象や技術(力学、熱力学、波動、電磁気、原子)