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女性をとりまく労働問題

(1)女性の管理職登用

①男女雇用機会均等法(1986年施行)により、女性の雇用機会は拡大した。しかしながら、管理職に占める女性割合は未だ低いままである。

②現在,管理職の多くは男性であり、女性が「女性の管理職像」をイメージできない可能性がある(目指す人物がいないため、昇進をあきらめる)。

③ポジティブ・アクション((4)参照)などを講じて、女性管理職の「ロールモデル:具体的な行動や考え方の模範となる人物」を増やしていく必要がある。

(2)女性の社会進出を阻む性差別

①性別によって役割を分担する意識が働いて、女性の社会進出を阻むことがある。

②「男は仕事、女は家事・育児」や、「性別によって適する業務がある」といった考え方は差別を助長し、性別分業を維持する。

③固定的な性別役割分業意識に基づく慣習を無くしていくためには、一人ひとりが互いの人権や生き方を尊重しあい、「性別」に捉われない考え方や行動を身につける必要がある。男女共同参画社会実現のために、学校での男女共同参画教育も推進されている。

(3)女性労働者の職場環境

①個人の可能性を開くのはもちろん、人口減少時代の日本の「労働力不足」を補うためにも、女性の社会進出・活躍を推進することは必須である。しかし、第一子を出産後に退職する女性が多いという傾向がある。

②出産後退職の原因の1つに、マタハラ(妊娠・出産・育休などを理由とする,解雇・雇い止め・降格などの不利益な取り扱い)がある。

③労働基準法や男女雇用機会均等法、育児介護休業などの法律により、マタハラは禁止されている。マタハラ問題に対する企業独自の対策が求められている。

(4)ポジティブ・アクション(PA)

→PAとは、社会的・構造的な差別によって不利益を被っている者に対して、一定の範囲で特別の機会を提供すること等により、実質的な機会均等を実現することを目的として講じる暫定的な措置であり、PAの手法には、厳格(あらかじめ一定の女性枠を設ける等)、中庸(女性の登用に関する努力目標を掲げる等)、穏健(能力向上のための研修を行う等)がある(内閣府男女共同参画局,2005)

①固定的な性別役割分業意識による差(職種や管理職における男女比率の偏り)を解消する取り組みとして、ポジティブ・アクション(積極的改善措置)がある。

②管理職の女性割合が男性と比べて極めて少ない(2020年で14.8%)などの課題を解決するために、実質的な男女平等を実現する必要がある。

③第5次男女共同参画基本計画では、「2020年代の可能な限り早期に指導的地位に占める女性割合が30%になるよう目指して取組を進める」という目標を立てている。目標達成に向けた具体的な取組として、ポジティブ・アクションの促進を挙げている。

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