(1)例題
下図のように、焦点距離が12[㎝]の凸レンズから20[㎝]離れた場所に、光軸に垂直に長さ4[㎝]の物体PQを配置する。レンズの左側を前方、右側を後方とよぶことにする。図には、後方および前方の焦点をそれぞれF, F’で記してある。
①PQの像P′Q′を作図によって求めよ。
②PQの像P′Q′は、レンズの中心面(中心を通り光軸に垂直な面、図の点線)から前方または後方に何㎝離れたところにできるか。計算で求めよ。(前方、後方)の適切な方を選び、何㎝かを記せ。
③Pの像P′は、光軸から上または下に何㎝離れたところにできるか。計算で求めよ。(上、下)の適切な方を選び、何㎝かを記せ。
下図のように、物体PQの代わりにPの位置に点光源Rを置く。さらに、レンズの後方39[㎝]のところに光軸に垂直に平面鏡を置く。
④Rのレンズによる像をR′とし、さらにR′の平面鏡による像をSとする。R′およびSを作図によって求めよ。
⑤レンズによるSの像S′の位置(レンズの中心面からの距離および光軸からの距離)を計算により求めよ。(前方、後方)および(上、下)の適切な方を選び、それぞれ何㎝かを記せ。
⑥R′、S、S′の各像がそれぞれ実像か虚像か答えよ。
(東工大入試問題より)
(2)例題の答案
①
②
③
④
⑤
⑥
(3)解法のポイント
①光軸に平行な光線はレンズ通過後、焦点を通ります。また、レンズの中央を通る光線は直進します。
②像の位置の問題は、レンズの式を使って求めましょう。aはレンズ前方(光が入っていく方)を正とし、bはレンズ後方(光が出ていく方)を正とすることに注意してください。
③倍率と正立か倒立かは、-b/aを求めましょう。
④平面鏡が出てきた場合は、鏡を対称の軸として折り返した場所に像ができます。
⑤⑥平面鏡が反射した光が作る像を考えるときは、光源を鏡を対称の軸として折り返した点を光源として考えましょう。
(4)必要な知識
①レンズの式
(5)理解すべきこと
①虚像とは何か(水中の物体が浮き上がって見える理由、凸レンズ・凹レンズ・凸面鏡・凹面鏡の像のでき方についても解説しています)