ウェストファリア条約についてです。
「高校で世界史を勉強した」と言いたければ、必ず知っておかなければいけない重要な条約です。
では、なぜ重要なのでしょうか?
まずは、ウェストファリア条約の内容です。
①ベーメンでの新教徒による反乱から始まった三十年戦争の講和条約。
②アウグスブルクの宗教和議の確認とカルヴァン派の承認。
③神聖ローマ帝国(ドイツ)の諸侯は独立した領邦となる
④ドイツ領の削減
⑤スイスとオランダの独立の承認
では、これらがどのような意義を持つのでしょう。
①②→カトリックとプロテスタントの対立の終結
③→神聖ローマ帝国の事実上の解体(「神聖ローマ帝国の死亡証明書」)
さらに、③に関して重要なのは、主権国家体制が確立したことです。
主権とは、「自分の国のことは、他国に干渉されずに自分で決めることができる」ということです。
また、ウェストファリアの講和会議は、近代国際会議の始まりともされています。
つまり、ウェストファリア条約の何がそんなに重要かと言うと、それまでの国家観や国際関係(封建的支配、宗教的対立)が、新たな段階へシフトしたきっかけとなったことなのです。
現代世界にまで続く近代的国家観、国際関係の始まりを象徴するのがこのウェストファリア条約なのです。