塗り分け(特別な領域から塗る)

(1)例題

同じ大きさの5枚の正方形の板を一列に並べて、図のような掲示板を作り、壁に固定する。赤色、緑色、青色のペンキを用いて、隣り合う正方形どうしが異なる色となるように、この掲示板を塗り分ける。ただし、塗り分ける際には、3色のペンキをすべて使わなければならないわけではなく、2色のペンキだけで塗り分けることがあってもよいものとする。








①このような塗り方は全部で何通りあるか。

②塗り方が左右対称となるのは何通りあるか。

③青色と緑色の2色だけで塗り分けるのは、何通りあるか。

④赤色に塗られる正方形が3枚あるのは、何通りあるか。

⑤赤色に塗られる正方形が1枚であるのは何通りか。

⑥赤色に塗られる正方形が2枚であるのは何通りか。

(2015年センター試験本試数学ⅠA第4問より)

(2)例題の答案

5枚の板を左からA, B, C, D, Eとする。

①Aの塗り方は3通り、B, C, D, Eは隣りとは異なる色を塗るので塗り方は2通りである。よって

3×2×2×2×2=48通り

②まずはCから塗る。Cの塗り方は3通りである。

次にBを塗る。Bの塗り方は2通りであり、Bと同じ色をDに塗るので、Dの塗り方は1通りになる。

最後にAを塗る。Aの塗り方は2通りであり、Aと同じ色をEに塗るので、Eの塗り方は1通りになる。

よって

3×2×1×2×1=12通り

③A, C, Eが青色でB, Dが緑色の塗り方と、A, C, Eが緑色でB, Dが青色の塗り方がある。

よって、2通り

④A, C, Eが赤色になる。B, Dは赤色以外の2色で塗ることができるので塗り方は2通りである。

よって

2×2=4通り

ⅰ)Aを赤色で塗った場合

Bの塗り方は2通りになり、C, D, Eの塗り方は1通りである。

よって、2通り

ⅱ)Bを赤色で塗った場合

A, Cの塗り方はそれぞれ2通りであり、D, Eの塗り方は1通りである。

よって、2×2=4通り

ⅲ)Cを赤色で塗った場合

B, Dの塗り方はそれぞれ2通りであり、A, Eの塗り方は1通りである。

よって、2×2=4通り

ⅳ)Dを赤色で塗った場合はⅲ)と同様の4通り

ⅴ)Eを赤色で塗った場合はⅰ)と同様の2通り

したがってⅰ)~ⅴ)より求める場合の数は

2+4+4+4+2=16通り

ⅰ)赤色を使わない塗り方は③より2通り

ⅱ)赤色の板が1枚の塗り方は⑤より16通り

ⅲ)赤色の板が3枚の塗り方は④より4通り

①より塗り方は全部で48通りなので、求める場合の数は

48-2-16-4=26通り

(3)解法のポイント

場合の数の基本通り、

「条件の厳しいところから考える」

でいきます。

つまり、「多くの領域と隣りあう領域」や「同じ色で塗ってもよい領域」など特別な条件が決められている領域から考えていきましょう。